健康診断Q&A

Q 従業員の健康診断実施は絶対に必要なの?

 

A 労働安全衛生法第66条に基づき、事業者は労働者に対して健康診断を受けさせる義務があります。健康診断を実施しないと

 違法行為となってしまいます。
 違法行為とみなされた場合、労働基準監督署から指導が入り、50万円以下の罰金が課せられる場合もあります。

 そのため、従業員には健康診断を絶対に受けてもらうようにしましょう。

 また、労働者は、企業が行う健康診断を受けなければなりません。

 

Q 健康診断の対象者は?

 

A 対象となるのは、正社員はもちろん、契約期間が1年以上、かつ週所定労働時間の4分の3以上労働する

 契約社員やパート労働者も該当します。

 それは、個人事業でも中小企業や大企業でも違いはありません。
 対象となる人を雇った場合には、会社の規模に関わらず健康診断を受けさせなくてはならないのです。

 従業員を1人でも雇い入れたら、企業は定期健康診断を実施する義務があります。

 

 

Q 健康診断の種類はあるの?

 

A 健康診断には、いくつかの種類があります。

 従業員を雇い入れたときに行う雇入れ時健康診断と、年1回のペースで行う定期健康診断、

 深夜業などの特定業務に従事する労働者を対象にした「特定業務従事者の健康診断」、

 法定の有害業務に従事する労働者が受ける特殊健康診断などがあります。

 

 

Q 雇入時の健康診断や定期健康診断はいつ実施するの?

 

A 雇入時の健康診断は、その名の通り雇い入れの直前または直後に実施します。入社前であっても、健診の実施は可能です。

 また、本人が入社前3ヵ月以内に医師の健診を受けていて、その結果を会社に提出したときは、雇入れ時健診を省略できます。

 ただし、本人が提出する診断書が必須の健診項目をカバーしている場合に限ります。

 定期健康診断は1年以内ごとに1回実施します。

Q 年に2回健康診断を実施しなければならない場合があると聞きましたが、どのような場合ですか。

A 特定業務従事者の健康診断があります。

 事業者は、深夜業などの特定業務に常時従事する労働者に対し、その業務への配置替えの際及び6ヵ月以内ごとに1 回、

 定期に実施する必要があります。健康診断の項目は定期健康診断と同じです。

 また、省略基準は「胸部エックス線検査」を 除き定期健康診断と同じです。

 (関係法令:一般健康診断(労働安全衛生規則第44条)、特定業務従事者健康診断(労働安全衛生規則第45条))

 

 

Q 一般健康診断の項目はどのようなものがあるの?

 

A 以下の項目が労働安全衛生法に定められている一般健康診断における検査項目です。

 なお、雇入時の健康診断は項目の省略はできませんが、一般健康診断は基準に従って一部省略が可能です。

 1 既往歴及び業務歴の調査

 2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

 3 身長(※1)、体重、腹囲(※2)視力及び聴力(1000 ヘルツ及び4000 ヘルツ)の検査

 4 胸部エックス線検査(※3)及び喀痰検査(※4)

 5 血圧の測定

 6 貧血検査 (赤血球数・血色素量等)

 7 肝機能検査(GOT(AST)・GPT(ALT)・γ-GTP等)

 8 血中脂質検査(LDL コレステロール・HDL コレステロール・トリグリセリド(中 性脂肪)等)

 9 血糖検査

 10 尿検査(尿中の糖及び蚤白の有無の検査)

 11 心電図検査(安静時心電図検査)

 

 ※1 身長:20 歳以上の者について身長は測定省略が可能

 ※2 40歳未満の者、妊婦等その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断された 者、BMI が20 未満の者などは医師の判断で省略可能

 ※3 40歳未満の者(20,25,30 及び35 歳を除く)で次のいずれにも該当しない者は 省略可能

  イ 学校(幼稚園を除く)、病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、特定の社会福 祉施設における業務に従事する者

  ロ 常時粉じん作業に従事する労働者で、じん肺管理区分が管理1の者、常時粉じん作 業に従事させたことのある労働者で、

    現に粉じん作業以外の作業に常時従事してい る者のち、じん肺管理区分が管理2である労働者

 ※4 喀痰検査:胸部エックス線検査で病変が発見されない者、結核発病のおそれがない と診断された者

   及び上記※3 に該当する者は省略可能

 6~10の項目については、40 歳未満(35 歳は除く)の者は省略が可能 ただし、省略は過去の健診結果や自覚症状及び他覚症状の

 有無などを基に医師(産業医) が判断します。

 

 

Q 費用は企業側、従業員側どちらが負担するの?

 

A 法令で定められている健康診断の費用は、ほとんどの場合において、事業者側に負担義務があります。

 ただし、たとえば人間ドックなどの高額な健康診断を受診する場合は、定期健診費用に相当する部分のみを企業側が負担するに

 留める場合もあります

 

 

Q 再検査費用はどちらが負担するの?

 

A 会社には再検査を実施する義務がありません。再検査の通知までが義務で、

 費用は従業員負担になります。従業員にも再検査の受診義務はないので、仮に受診しなかったとしても問題はありません。

 どうするかは個人の判断に委ねられますが、会社は従業員が健康に働けるような配慮が必要です。

 再検査の必要のある従業員には検査を推奨することが望ましいです。

 再検査費用は従業員の自己負担が基本ですが、会社指定の医療機関で受診する場合は、会社が負担するところも増えています。

 

 

Q 定期健康診断の結果、有所見と判断された労働者に対して、事業主は何か対応する必要があるの?

 

A 就業上の措置について医師等に意見を聴く必要があります。

 事業者は、健康診断等の結果、異常の所見があると診断された労働者について、就業上 の措置について、

 3か月以内に医師または歯科医師の意見を聴く必要があります。

 また、 事業者は、上記の医師等の意見を勘案し必要がある場合は、就業場所の変更、作業の転 換、労働時間の短縮、

 深夜業の回数の減少等の措置を講ずる必要があります。

 (関係法令:労働安全衛生法第66条の4~第66条の7、同法第69条)

 

 

Q 健康診断結果の保管義務があるの?

 

A 会社側には、健康診断の結果から個人票を作成して、5年間保有しなくてはならないという義務があります。

 一般健康診断の必須項目以外の診断結果については、保管義務は特にありません。
 派遣労働者の場合は、一般健康診断に関する健康情報の取り扱いを、派遣元事業者の責任において行うのが一般的です。

 派遣元の事業者は、派遣労働者の同意を得ずに取り扱ってはいけません。
 たとえば、同意なしに派遣先事業者に健康情報を渡すことなどは禁止されています。

 

 

Q 産休で休業している労働者がいます。定期健康診断の時期が来たのですが、定期健康診断を受診させなければなりませんか?

 

A 定期健康診断を受診させなくとも差し支えありません。

 事業者は、定期健康診断を実施すべき時期に、労働者が、育児休業、療養等により休業中の場合には、

 定期健康診断を実施しなくても差し支えありません。

 ただし、休業終了後、速やかに、定期健康診断を実施しなければなりません。

 

 

Q 受診結果はどこかに報告する義務があるの?

 

A 常時50人以上の労働者を使用している事業者は、労働基準監督署に健康診断の結果を報告する義務があります。

 その他、下記の会社が講ずべき措置があります。

 a 健康診断の結果について医師等からの意見聴取(労働安全衛生法66条の4)
   健康診断の項目に異常の所見のある労働者について、健康を保持するために必要な措置について、

   医師又は歯科医師の意見を聴く必要があります。

 b 健康診断実施後の措置(労働安全衛生法66条の5)
    上記(a)による医師や歯科医師の意見を勘案し、その必要がある場合は就業場所の変更、

    労働時間の短縮等の措置をしなければなりません。

 c 健康診断の結果の労働者への通知(労働安全衛生法66条の6)
   健康診断結果は、労働者に通知しなければなりません。

 d 健康診断の結果に基づく保健指導(労働安全衛生法66条の7)
   健康診断結果によって、健康の保持に努める必要がある労働者に対して、医師や保健師による保健指導を行うように

   努めなければなりません。

 e 健康診断の結果の所轄労働基準監督署長への報告
   使用者は健康診断結果を遅滞なく、所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。